No.50 富山県健康増進センター『外装タイル改修工事』
斬新なデザインが際立つ、医療関連施設での乾式タイル張り工法
福見建築設計・碓井取締役から今回の外装改修の件で相談を頂き、直ちに現地を視察致しました。
現場は富山空港から近く、緑豊かな田園風景の中で、白いタイル張りの外装と大きなアーチ状のファサードは直ぐに目に付き、その斬新なデザインは際立っておりました。
既存の外装タイル張りは、白色系の施釉二丁掛タイルを使用しており、在来工法で施工した外装には、凍害や経年劣化によると思われるひび割れや浮きが各所に見られた。
そこで外装にダメージのある箇所の補修は、既存のタイル張り部を斫り作業で除去した上、新たなタイルで張り直すことも検討されましたが、
建物の用途が医療健診施設であることから、工事中の騒音や振動を極力抑制することが、この改修工事での御施主側からの一番の要望でありました。
そこで既存のタイル張り部を除去することなく、既存のタイル張りの上からカーニバル工法用の横レールでしっかり押え込み、
新たに二丁掛タイルを乾式タイル張り工法で施工する案が採用されました。
騒音を抑制する方策として、既存タイル面の目地部を狙ってレール固定用のビスを打込みました。
目地部へのビス打ちは柔らかなモルタル部を狙うことで、騒音の低減に大きな効果がありました。
また、施工時間の調整を毎日病院側の病室の利用状況と擦り合わせを行ない、
図面と工程表を睨みつつスケジュール調整をし、病院側に迷惑が掛からぬ様配慮し、作業を進めることができました。
開口枠材に幅広のアルポリックの役物がアーチ状に納まるとフラットなアルポリックの枠材の質感がグットと引き立ち、
タイルオンタイルでの改修施工とは思えないような素晴らしい仕上りとなりました。
今回の健康増進センターでのタイル改修施工では、病院側とのスケジュールの調整や騒音対策、アルポリックとの相番作業等様々な経験ができました。
医療関連施設での乾式タイル張り工法(NEWカーニバル工法)の貴重な施工実績をまた一つ積み重ねることができました。
開発営業2部 西 真慶
- 発注者:公益財団法人 富山県健康づくり財団
- 工事場所:富山市蜷川37番地
- 構造:RC造 3階建て 地下1階 延べ床面積:5,416㎡
- 設計・監理:富山県建築設計監理共同組合
- 担当設計:㈱福見建築設計事務所 碓井取締役
- 竣工:平成30年12月20日
- 施工:林建設㈱ 片岡所長
- タイル工事:㈱日本陶業
- 工事担当:森下宏和 職長:伊藤一徳
- タイルメーカー:ニッタイ工業㈱ 二丁掛タイル400㎡