株式会社日本陶業

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No.56「新宿住友ビル」
レンガ積みの内装壁で落ち着きのある巨大パブリックエリアに

◆日本一の乗降客数を誇る「新宿駅」の西側に広がる高層ビル街はもともと「淀橋浄水場」があった場所です。1898年の通水開始以来長く東京水道を支えた「淀橋浄水場」でしたが、周辺の都市化に伴い、1965年に「東村山浄水場」へその機能を移し、廃止となりました。その跡地の一角に1974年に建てられたのが新宿住友ビルディングです。このビルは三角柱状の形態に由来し三角ビルの愛称で親しまれている建物です。そしてこの新宿住友ビルディングが2020年6月に生まれ変わりました。
◆ビルの足元にある三角広場は大屋根がかけられ、天候に左右されない巨大パブリックエリアとして新設されました。 レンガ積みの内装壁には住友グループ発祥の地である別子銅山の「からみレンガ」をイメージしたレンガが、採用されました。「からみレンガ」とは銅鉱石を精錬する過程で銅分を取り除いた後の鉱滓(こうさい)から作られるレンガのことです。この鉱滓は「からみ」とも呼ばれています。歴史的な建造物に使用されていることが多く、現在では生産されなくなってしまい入手が困難です。
◆工法は弊社が得意とするレンガの乾式工法の透かし積みを採用して頂きました。 施工中は、現場スペースが限られていたので、資材置き場の確保や施工手順などを職人さんと密に打合せして対策をしました。下層には一部密に積んでいる部分もありますが、小さなレンガは表面をずらすことで、陰影のついた表情豊かな仕上がりが印象的です。かつての淀橋浄水場のレンガ積の風景を感じられる、憩いのスペースとなっておりますので、ぜひ一度お立ち寄り下さい。

建物概要
  • 施 主:住友不動産株式会社
  • 設 計:株式会社日建設計
  • 施 工:大成建設株式会社
  • 画像提供:株式会社LIXIL