No.57「立川駅南口 東京都・立川市合同施設」
PC版とECPにまたがる乾式タイル
PC版とECPにまたがる乾式タイル
立川駅南口東京都・立川市合同施設は、立川駅の南口から150mほどの交差点の角に位置しており、JR立川駅や多摩モノレール立川南駅と、ペデストリアンデッキで直結するように建設されました。 その名前の通り、東京都と立川市が合同で企画・建設した地上7階地下1階の公共施設であり、おもに立川市が管理する低層階には、立川市魅力発信拠点施設「Cotolink(コトリンク)」内に、自転車などの駐輪場(地下1階~地上2階)、地元の特産品を販売する「のーかる・バザール」と「ジバー・カフェ(JIBAR CAFE)」(1階)、情報発信センターの「BALL. HUBたちかわ」(3階)があり、東京都が管理する上層階には、東京しごとセンター多摩、東京都労働相談情報センター多摩事務所、ワークプラザ立川南、マザーズハローワーク立川などの行政機関が設置されています。
低層部外壁の二丁掛タイル仕上げ部分に、嵌合乾式NEWカーニバル工法をご採用いただきました。採用のポイントとなったのが、カーニバル工法の剥落に対する安全性と、PC版とECPという異なる下地壁面への施工性です。 PC版とECPは厚さや幅のほか、層間変形への追従ムーブメントが異なります。2種類のパネルの厚さの違いをタテ胴縁で解消するのと同時に、ECP独自のレールファスナー工法に組み込むことで、地震発生時のロッキングに追従可能な納まりとして施工しました。 専用のレールを使用した乾式工法ですので、もともと剥落防止機能は万全ですし、在来工法の場合に義務つけられている「定期点検時の全面打診検査」が免除される(目視点検は必要)ことから、長期にわたる定期検査費用のコストダウンについても、大きな効果が見込まれます。
タイルは自然な色むらのある還元焼成品で、目地はロッキングによるムーブメントを考慮して目地を詰めない納まり(横目地:ラップ タテ目地:突付け)です。下地面の違い(PC版・ECP)も外観上はほとんど判別できません。タイル目地を通し目地(イモ目地)とすることで、都会的で上品な仕上がりとなっております。
- 施 主:東京都
- 設 計:株式会社類設計室
- 施 工:三井住友建設株式会社
- 構 造:鉄骨造(CFT造)一部鉄骨鉄筋コンクリート造、地上7階・塔屋1階・地下1階
- 施工下地:PC版、ECP(レールファスナー工法)、RC(基礎部)
- タイル:ニッタイ工業株式会社 特注還元焼成品 227x70x厚20㎜ フラット面
- 職 長:高橋浩之
- 工事担当:小川陽二