株式会社日本陶業

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No18 北海道某施設 PC板打ち込み+手張り工法
『国内最大級サイズの特注タイルでPC板打ち込みを実現!』

RC造外断熱通気工法+PC板セットで貴重な経験――

「設計、施工サイドから様々なテーマを頂き、いろいろな工夫と挑戦の末、完成することが出来た建物ではないかと思っております。まず北海道という土地がら、氷柱(つらら)をイメージした意匠に配慮し、氷柱の氷壁を繋ぐものも氷であるという考えのもと、出入り隅の全てに、モルタルは一切見せない様に工夫を凝らしました。PC打設時にもコンクリートの漏れを防ぎ、長手相杓りが492ミリという大変長いタイルの寸法誤差を考慮しつつ、横目地を3~4ミリに細く見せるなど、そのためにすべて短辺小端のスリ加工を施しました。
二つ目は、タイルの形状は役物を入れて6種類に集約させております。例えばフラットタイル7列きたら、筋付き3列といった奇数で割付けを繰り返しております。従ってタイルは、フラット面状の片リブと両リブ、筋付きタイルの片リブと両リブ、開口部縦出隅の屏風曲りと、出隅のダブルコーナー役物で合計6種の最少で完結できました。
三つ目は、零下20度以下をも想定し、短辺のスリ加工部へのトラブル、釉薬の色調工夫、さらには凍害への不安を払拭する為に、完全磁器で製作しました。また様々に配慮された設計のもと、大きな地震時のタイル同士の衝撃、破損などの検討がなされました。免震構造での動きはどうか、寒冷地での外断熱の施工はどうかなど、最終的にタイルの採用を決定していただくまでには、かなりの時間と工夫と挑戦があっての結果でした。ちなみにこの外壁の構造は、RC造に50ミリの外断熱材を取付け、100ミリの通気層を設け180ミリのPC板がセットされるという構造になっています。そして、国内での磁器特注焼き物としては、最大級サイズのPC打ち及び手張りが、実現でき完成する運びとなりました。大変貴重な経験を積ませていただきました。」
(㈱日本陶業 札幌営業所  担当;真壁孝文 作図・管理;中谷麻里子)

完成後の外観 完成後の外観
出隅部 出隅部
完成後の外観 完成後の外観
リブ付きタイルとフラットタイルの組合せ リブ付きタイルとフラットタイルの組合せ
列柱 列柱
PC板の取付け PC板の取付け
実物大のモックアップ 実物大のモックアップ
実物大のモックアップ(部分) 実物大のモックアップ(部分)
実物タイル 実物タイル
外断熱仕様 外断熱仕様
建物概要
  • 現場名:北海道某施設
  • 設計:㈱松田平田設計事務所
  • 施工:㈱竹中工務店
  • 竣工:2013年4月31日
  • 構造:SRC造 PC打込み及び手張り
  • 工事:㈱日本陶業 札幌営業所 担当:真壁孝文 作図・管理:中谷麻里子
  • メーカー:㈱日本陶業(大和窯業㈱)
  • タイル形状:大判 492×163㎜・厚さ30㎜
  • タイル材質:白磁施釉特注タイル、湿式製法、フラット及び筋付き面状に各長手相杓り付き(リブ付)
  • 工法の特長:PCでありながら、つなぎ目の見えない外壁面。手張りは、アルミレール台座接着剤張り工法