No.33 台湾初の乾式タイル張り工法による施工実績:「濱江段計画」
台湾初の乾式タイル張り工法
台湾においても地震が多発する事から、「安全・安心」と言うテーマにユーザーは敏感であり、施主の強い要望もあって、台湾初のタイル乾式工法による施工となった。
構造はS造でありながら外壁はショットクリート吹き付け下地が採用され、タイル乾式工法では、下地施工精度が仕上げに反映され易いため心配もあったが、その心配も杞憂に終わった。採用のタイル重量が比較的重いことから、150角タイルの裏足2段にレールをしっかりフックさせ、弾性接着剤でガタツキを補完させる工法となった。タイルは当初台湾産メーカーで試作を行ったが、ステッチ部のタイル厚さ50mmの製作は困難が有り、結局日本のメーカー:国代耐火工業所製での製作となった。タイルの色調には色むらを大きく求められ、且つ寸法精度を厳しく求められたが、目地の仕上がりとのトータルな外装イメージでは満足のいく出来栄となった。
当ビルの設計デザインテーマは、「フォレスト」という森をイメージさせる外壁構成となっており、リン酸処理仕上げのアーチルーバーの曲線と木をイメージさせるタイル乾式工法とのマッチングがユニークで、地元タイル業者への技術指導の元、台湾で初となるタイル乾式工法の良い施工実績が出来たことに安堵しています。
タイルセット後目地詰め前
タイルセット後目地詰め後
タイル裏面に接着剤塗布
役物タイル(接着加工品)
レールへのタイル取付け
目地詰め(仕上がり状態)
建物概要
- 工事名称:濱江段計画
- 施主:忠泰建設機構㈱
- 設計:㈱青木淳建設計画
- 施工:華熊営造㈱
- 技術協力:㈱日本陶業
- タイル:せっ器質特注色(無釉)・150角タイル(乾式工法用)
- タイル張り工法:2段レール下地・弾性接着剤張り工法併用(目地詰め有り)
- 竣工:2017年3月