No.40 富山県議会議事堂『改修へのチャレンジ』
「タイルONタイル工法と浮かし工法、そして防水シート併用」
㈱福見建築設計事務所様で設計された「富山県民会館免震改修工事」の外壁乾式タイル工事を弊社で完工した後、引き続き隣接する敷地に建つ「県議会議事堂免震改修工事」の外装乾式タイル工事の相談を設計者より頂きました。
県議会議事堂は1971年に竣工し、築後45年経過した建物で、既存建物の外壁もタイル張り仕上げでした。
今回免震改修工事に伴い外壁タイル施工は、2箇所のエリアでタイル仕様の異なった張り分けが検討され、
階段室廻りは縦張りパターンのタイルonタイル(既存タイル下地)改修工法で、議事堂の外壁は横張りパターンの縦胴縁方式の2種類の施工案が採用されました。
またタイル仕様も手作り風特注タイルの指定があり、隣接する県庁建物の外装イメージに調和する色調(白色系)を何度か見本焼きを行い選定されました。
階段室廻りの外壁は筒状の建物で四隅が曲面になっており、窓を中心にしてタイルのサイズを均等に割り付けて欲しいとの要望を頂き、これも何案もタイル割りの図面提案を経て工事に着手しました。
階段室廻りでの施工では、既存タイルを残してのレール付けは躯体までコンクリートビスを埋設するためL=85ミリのビスを選定しました。
年数が経過しているため躯体強度が増しているのと既存タイルにビスを打ち抜く作業に思わぬ時間を要し、苦労しました。
併せて出隅曲面部では面精度を上げるために@100ピッチでレールをビスで固定しました。
また施工後の漏水も懸念されるのでレール裏にブチルテープを張り、ビスにも接着剤を塗布してビス締め施工を行いました。
議事堂外壁のタイル長手張りでは、アンカーの引き抜き試験を実施し、またナットの締付トルク値の管理も行いながら品質管理に留意しました。
NEWカーニバル工事の完成後、苦労した甲斐もあり富山県のランドマークになるすばらしい建物にリニューアルされた事を大変嬉しく思います。
改修階段室
製品検査
議会棟
- 工事名:富山県議会議事堂免震改修工事
- 住所:富山県富山市新総曲輪地内
- 建築主:富山県知事
- 竣工:2017年7月28日
- 設計:富山県建築設計監理協同組合
- 施工:辻建設・石坂建設・村松建設共同企業体
- カーニバル工法:横張り300×90(104)×t25 縦張り275(289)×62×t25、クレア社製
- タイル工事:㈱日本陶業 営業担当:西 真慶 工事担当:森下宏和 職長:伊藤一徳