No.45 ロッテアライリゾート『雪国ならではのチャレンジ』
大雪の側圧計算を確認しながら、凍害事故のない乾式工法を
ある日突然、設計事務所の方から弊社のホームページを閲覧され、改修工事向けカーニバルの工法資料と納まり図の資料請求がありました。
暫くして「現地で打ち合わせをしたい」との連絡を頂きました。そこで初めて物件名や改修規模、工期を伺い、大変な驚きに変わりました。
現場は、スキーリゾート施設で新潟県の上越でした。工事内容は、大きな石の乱張りからタイルの乾式カーニバルにリニューアルする、と言うプランだったのです。
ザッと見てその外壁は、すべての建物を改修すると、タイルだけでも10,000㎡近くある規模でした。
もっと驚いたことは、工期が9月から翌年の10月です。しかも大雪豪雪地帯で、12月から3月は何も出来ない、とのことでした。実質10ケ月での工期の中、地域的な制約もあり工期が一番の悩みでした。
改修工事の難しさは多岐に渡り、着工をしてみないと見えない部分も沢山出てまいります。
更にタイルの細かい納まりを、石の乱張りのハツリ後に如何納めるかが、難しい問題です。
天井との取り合い、石の窓枠との納まり、立ち上げ防水層の処理、アーチあげ裏の納まり、上階の塗装との取り合いなど、図面承認のない中でのスタートととなり、時間とのタフな戦いでした。
真冬の大雪の解ける時を待って、作戦を立て直しての再開でした。
1期工事の列柱の多さに比べ、城壁の様な大壁もみるみる金物下地が取り付けられ、タイルが徐々にセットされてくると、上階のイエローの塗装外壁に対して、
低層部の濃黒の焼き過ぎタイルのスッキリ感、さらに真っ白な雪とのコントラストが際立って栄え、素晴らしいリゾート施設へと生まれ変わりました。
建物の足元や外構も整備され、さらに見違える景観となって完成をしました。
雪国ならではの大雪の側圧計算確認を行いながら、凍害事故のない乾式工法として、また落下の心配のない嵌合乾式工法など、カーニバル工法の利点を活かした工事が又1つ完成しました。
今回、これほどの大改修に参画させて頂き、またタイルの素晴らしさを、これからずっと来られるお客様にもアピールできることを何より嬉しく思っております。
- 建築主:㈱ホテルアンドリゾート上越妙高
- 設計/監理:㈱山下設計
- 施工:㈱加賀田組[1期工事]北野建設㈱[2期工事]
- 工期:平成28年8月~平成29年11月
- タイル工事:㈱日本陶業
- タイルメーカー:ニッタイ工業㈱ 二丁掛け割肌タイル 8,000m²
- 営業担当:西真慶 工事統括:小林克行 図面担当:若山修三
- 工事担当:木村将嗣 職長:山崎幸夫